自己破産とは、借金の返済ができなくなった個人の申立てにより開始される破産手続のことです。
財産や収入が不足し、借金返済の見込みがなく、「支払不能」であることを裁判所に認めてもらい、借金の返済義務を法律上免除してもらうための手続です。
自己破産をすると原則として借金を支払う義務がなくなります（これを「免責」といいます）。
借金の返済を免除されることについては、
「遊ぶために身勝手な借金をしておきながら、免除されるなんてけしからん！！」
「まじめに生活するのが馬鹿らしくなる。」
といった世間の人々の声が聞こえてきそうなところではあります。
しかし、その人の経済力に見合わないほどの莫大な借金が溜まっている状況では、利息も膨らみ、いつまで経っても借金を完済できる日が来ることはないでしょう。
そして、そのような状況下の人が生き生きと仕事をして、社会にプラスの価値を生み出せるような生き方をすることもできないと思います。
借金苦で死にそうな人が社会に溢れることは社会にとっても大きなマイナスです。
そこで、法は、自己破産の制度を規定し、借金苦にある人が免責を受けて経済的なリスタートを切れるようにしたのです。
破産法1条には、
「この法律は、支払不能又は債務超過にある債務者の財産等の清算に関する手続を定めること等により、債権者その他の利害関係人の利害及び債務者と債権者との間の権利関係を適切に調整し、もって債務者の財産等の適正かつ公平な清算を図るとともに、債務者について経済生活の再生の機会の確保を図ることを目的とする。」
と書かれています。
これを分かりやすく表現すると、破産制度の目的は、
借金苦の人の財産をいったん公平に清算し、
経済的に人生をやり直すチャンスを与えてあげよう
という点にあるといえるでしょう。
自己破産という制度は、抱えきれないほどの借金に苦しんでいる人に立ち直ってもらうための重要なセーフティーネットといえます。
今回は自己破産手続きについて、基本的な法律の理念を中心にご説明させていただきました。自己破産のデメリットや手続きの流れについては追って記事を作成しようと考えています。
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